歯の豆知識(43)

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コロナ禍のマスク生活で、口呼吸が癖になってしまった方も少なくないかもしれません。口呼吸の癖をやめるためには、どのようなことに気をつけるとよいのでしょうか。

 

口呼吸改善のカギは「口唇を閉じる力」

口呼吸の原因には、鼻咽腔の機能異常、上下の前歯の噛み合わせ、顎関節の不調和などが挙げられます。しかし、「癖」として口呼吸になってしまう方も多くみられ、その場合の多くは口唇を閉じる力である「口唇閉鎖力」が低下していることが原因であると考えられます。口呼吸をしている人の口唇閉鎖力は、鼻呼吸ができている人に比べて有意に低いという研究結果も報告されているほど、口呼吸と口唇閉鎖力は深い関係にあります。特に、60歳前後から口唇閉鎖力が低下する傾向にあることも分かっており、高齢者においては食べこぼしや身体機能の低下、全身疾患などにも影響が及ぶと考えられています。

 

口呼吸を改善するには

口呼吸の改善方法として、鼻に特殊なテープを貼って鼻腔を広げる方法や、口にテープを貼って寝る方法など、様々なものが世に広まっています。しかし、これらの方法は一時的な改善に過ぎません。口唇閉鎖力を改善するために、口輪筋を中心とした筋肉を鍛えることが、長期的にみても口呼吸の改善のために有効であるといえるでしょう。日本摂食嚥下リハビリテーション学会による訓練方法を以下にご紹介します。

 

・指で口唇をつまみ、外側にふくらませるように伸び縮みさせて口輪筋を伸ばす

・「ウー」と発音して唇を前に突出させる動きと、「イー」と発音して降格を横に引く動きを交互に行う

・ストローや木べらなどを唇ではさみ、圧をかけながら保持する

・前歯と口唇の間に紐をつけたボタンを入れ、口唇をしっかり閉じた状態で手で紐を引っ張り、ボタンが口の外へ出てこないように口唇に力を入れる(ボタンプル法)

 

このような訓練は、食事前に5分程度行うことがおすすめです。くれぐれもやり過ぎには注意しましょう。また、今回ご紹介した方法以外にも、最近では口唇閉鎖訓練をするための様々なツールが市販されています。適切なツールの選び方が分からない場合には、お気軽にご相談ください。

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