歯と全身の健康を守る歯科医院
歯科と医科の治療には、目的とアプローチに大きな違いがあります。医科では、内科・外科・耳鼻咽喉科などの専門分野に分かれ、主に病気を発症した後の治療を行うことが中心です。一方、歯科では「病気を未然に防ぐこと」が最も重要とされ、虫歯や歯周病にならないように予防処置やブラッシング指導などを行います。
私は、予防とメンテナンスを大切にし、歯を守ることで全身疾患の予防にもつながるような歯科医院をつくりたいと考えています。そのためには、誰もが「かかりつけ歯科医院」を持ち、乳歯が生え始める1歳半頃から生涯にわたり定期的に予防歯科に通うことが推奨されます。医科では症状や年齢に応じて通院頻度が変わりますが、歯科では一生涯にわたる継続的な予防が重要となります。
特に注目すべきは、歯周病と全身疾患の関わりです。日本人の約80%が30代以降で歯周病にかかっているといわれています。歯周病は歯と歯茎の間にある溝から細菌が血流へ侵入し、全身へと広がる病気です。その中でも「ポルフィロモナス・ジンジバリス菌(PG菌)」はアルツハイマー型認知症との関連が注目されています。PG菌が体内に入ると免疫反応で細胞が死滅し、その死骸から放出されるエンドトキシン(毒素)が脳内に蓄積され、アミロイドβの沈着を促進します。アミロイドβは認知症を進行させる原因のひとつであり、歯周病と認知症の関係性が科学的に明らかになりつつあります。
実際、日本人の認知症発症率は85歳で40%を超え、社会全体に大きな影響を及ぼしています。認知症を発症すると、自分で歯磨きができなくなり、虫歯や歯周病が急速に悪化します。その結果、誤嚥性肺炎、糖尿病、血管疾患など多くの全身疾患のリスクが高まり、介護者の負担や医療費の増加、精神的ストレスの増大につながります。さらに、人としての尊厳をもって生活することが難しくなる深刻な問題でもあります。
当院では、歯周病菌のリスクを客観的に把握するためにPCR検査を導入し、個々の患者さんに合わせた予防や治療を行っています。歯と口の健康を守ることは、単に噛む機能を保つだけでなく、全身の健康を守り、人生の質を高めるために欠かせません。
私は、「一生涯にわたって予防を続け、歯と全身の健康を守る歯科医院」をつくりたいと考えています。
当院では、初めてご来院いただく患者さんに対して「初診カウンセリング」を行っています。対象となるのは、できるだけ歯を削らず、しっかりとしたメンテナンスを希望される方です。カウンセリングでは、患者さんがこれまでに抱えてきた不安や不満、治療に対する希望を丁寧にお伺いし、安心して通院いただける環境づくりを大切にしています。
内容としては、虫歯や歯周病の検査、かぶせ物や詰め物の状態確認に加え、パノラマ写真、全身疾患や認知症の予防を見据えた口腔管理を行います。所要時間は30~40分程度で、保険診療として自己負担は3割、費用はおおよそ3,000円から4,000円となります。
この初診カウンセリングを通じて、患者さん一人ひとりに最適な予防プランをご提案し、生涯にわたって健康な口腔環境を維持できるようサポートしてまいります。

