Q&A

歯周内科治療で治りますか?

ほとんどの患者様にご満足いただいています。
当院にて歯周内科治療された患者様は2年間で350名程になります。歯周病の治療の判断として、患者様一人一人の歯周病菌の数を検査して歯周病内科治療の必要な患者様のみ治療を行います。そして治療後にもう一度歯周病菌検査をし、菌の数の減少を確認して歯周病の治癒と考えています。そういった意味では治療を受けた全員の患者様に歯周病菌数の減少がみられ皆様に大変喜ばれています。

費用はどのくらいかかりますか?

歯周病治療は現在のところ保険が効きません。治療回数は2週間のうち4回の来院で13万円+税です。又、忙しい方の為に設定した歯周病内科治療1週間コースは、上記費用に5万円追加されます。

費用は分割できますか?

カードでの分割払いがご利用いただけます。

歯周病内科治療を受けた方が、良いと思われる人はどんな人ですか?

  • 過去に歯科医院で歯石を取ってもらったり、ブラッシング指導を受けても歯周病の改善がみられない人
  • 「グラグラする歯がある」とか「抜けてしまった」等、歯周病菌の感染の疑いがある人
  • 「口臭が強い」と家族から周りの親しい方から指摘された人
  • ブラッシング時に歯肉から出血があったり、歯肉の腫れや炎症を繰り返す人
  • 上記の症状がある方で糖尿病のリスクが高い人や高血圧の人等、健康に不安をお持ちの方

歯周内科治療において年齢制限はありますか?

年齢制限はありません。
歯周病の有病率は50歳以上で8割となっています。個人差はありますが、45歳位から免疫力が減少し、歯周病が発症してきます。その頃から歯周内科治療が必要となってくると思います。

自分が歯周病にかかっているのかわからないのですが・・・

近親者から「口臭が強い」と指摘されたり、ブラッシングの時に出血があったり昔より歯が長くなったような気がする、歯がグラグラする等の自覚症状がある場合は歯周病の確率は高いです。このような方はまず一度ご相談下さい。

グラグラしている歯でも治りますが?

歯を支えているのは歯肉ではなく、歯槽骨という骨が支えているのです。残念ながら一度溶けてしまった歯槽骨は再生することはほとんどありません。しかし、歯周内科治療によって歯周病菌を除去すると歯肉の炎症が無くなり、コラーゲン線維の数が増え、歯肉が引き締まるので、歯のグラグラがなくなります。ズボンのベルトをきつくするイメージです。ただ、歯を支えきれない程とけてしまっているところはそうはいきません。常に膿が出ていたり、何度も腫れるところの歯は抜歯しなければならない場合もあります。

虫歯がたくさんありますが、大丈夫ですか?

適合の悪いかぶせ物や詰物があったり、大きな穴があいたむし歯がある時、また歯の神経が炎症を起こしたり死んでいたりするとお口の中の除菌がうまくいきません。むし歯の治療をしっかりしてからの方が、より効果が得られます。

妊娠中や授乳中でも行えますか?

薬を使う治療法なので、妊娠中・授乳中は出来ません。

治療中に何か制限はありますか?

歯周病治療をするにあたり、禁煙をお願いしています。喫煙すると、白血球の数が少なく、治療の効果が期待できません。通常は2週間の禁煙が必要ですが、最短の治療ですと、1週間の禁煙での治療が可能になりました(ただし、治療費がプラス五万円+税となります)。これをきっかけに禁煙される患者様も多数いらっしゃいます。あくまで患者様の意思におまかせです。

歯周病を治療すると口臭はなくなりますか?

口臭の90%以上は口の中に原因があります。歯周内科治療を終了された患者様は口臭が無くなり、劇的な変化がみられます。歯周病にかかっている時は歯肉の組織が壊れたり、歯肉からの出血があったり膿が出ている状態が続きます。又、歯周病菌はタンパク質分解酵素を持っているので、食物を分解する時に臭いにおいを発生させます。ですから歯周病を治療することが口臭予防につながります。
当院では、口臭が気になる患者様は無料で口臭測定機での測定を行っておりますのでご相談下さい。

虫歯治療と歯周病治療、どちらを優先したほうが良いですか?

大きな虫歯があったり適合の悪いかぶせ物があると、歯周病菌を除菌しにくくなります。親不知が炎症を起こしていたり、膿が出ている場合も 先に抜歯をしてからの歯周内科治療をおすすめします。又、歯の神経が死んでいる場合にも歯の根の治療を優先した方が良いです。

治療は痛くないですか?

麻酔をしたり、歯肉の切開など外科的なことはしませんので、痛みを感じる事はほとんどありません。固い歯石を取るときも、歯石を軟らかくするお薬を使うので安心です。

今まで歯科医院で歯石を取ったり、ブラッシング指導を受けたのですが、この治療と歯周内科治療の違いは何ですか?

歯石を取ったり、ブラッシングを丁寧にする今までの治療では歯の汚れの「量」を減らすことは出来ますが、汚れの「質」を変えることは出来ません。歯周内科治療では「質」を変えることが出来ます。歯周病を引き起こす悪い菌を除菌して、その代わりに良い菌を植え付けて、お口の中の「口腔内フローラ」を健全な状態にします。歯周内科治療によって劇的に口腔内フローラが変わってきます。今までの治療(歯石を取ったり ブラッシング)では健全な口腔内フローラを作ることは難しいと思います。

歯周内科治療の欠点はありますか?

  • 喫煙されている人には治療をお勧めできません。
  • 保険の治療ではできません。
  • 妊娠中の人にも治療はできません。
  • 血液の流れを良くする薬を服用している方にもあまりお勧めできません。
  • 重度の肝機能障害のある人にもあまりお勧めできません。

今までどの位の人が歯周内科治療を受けましたか?

2年間で350名位の患者様が受診されました。

日本人はどの位の人が歯周病にかかっていますか?

厚生労働省「平成26年患者調査の概況」より歯肉炎及び歯周疾患の総患者数は、331万5,000人で、3年前の調査より65万人以上増加しています。 歯周病の有病率は20歳代で7割、30~50歳代では8割、60歳代で9割になります。しかし、日本人の歯科医院での定期検診受診率は16%と低いので、実際には この何倍もの潜在患者はいると思います。

若い人でも歯周病になりますか?歯周内科治療は必要ですか?

20歳代でも侵襲性歯周炎の疑いがあり、レントゲンを見て歯を支える骨がとけて失っていたり、歯周病菌検査ではA.a菌(アグリゲイティバクター・アクチニミセテムコミタンス)が検出された人は、積極的な治療をお勧めいたします。A.a菌は歯肉の奥深くに入り込んでいるので歯石を除去した位では効果はありません。

歯周病菌の再感染はありますか?

犬や猫の口の中にも歯周病菌は住みついているので、口をなめられるとその唾液で感染することはあります。歯周病菌の感染経路は唾液ですので通常の生活をしていれば感染することはありませんが、同じコップを使用しての回し飲みや、箸やスプーン等使い回したに気を付けていただければ大丈夫です。

歯周病と全身疾患の関係は?

1.心臓病のリスク

口腔内の歯周病菌は、歯肉の中に入り込み心臓へ流れ着いて弁や内膜に取り付き、心内膜炎を起こします。また、心臓の血管壁に取り付いて血管を狭め、狭心症や心筋梗塞を起こします。

2.脳卒中との関係

体中の血管壁に歯周病菌が取り付いたことにより、動脈硬化が生じます。脳の血管で動脈硬化が起こると脳卒中の原因になります。また、脳卒中は脳血管性の認知症のリスクが生じます。

3.アルツハイマー型認知症との関係

奥歯でしっかり噛むことが能を活性化させます。歯周病で歯が少なくなると噛むことができなくなり脳の委縮が進み、アルツハイマー型認知症の原因となります。

4.肺炎との関係

飲み込む力が衰えていると、食べ物や唾液が誤って気管に入り込んでしまうことがあります。この中に歯周病菌が混じっていると気管支炎や誤嚥性性肺炎を起こすリスクが高まります。

5.妊娠・出産との関係

妊婦さんが歯周病にかかっていると、赤ちゃんが小さく生まれたり、早産になるリスク高まります。これは歯周棒の炎症で出てくるプロスタグランジン(子宮の収縮等に関わる整理活性物質)が、胎盤に影響するためと考えられています。

6.骨粗しょう症との関係

骨粗しょう症の人が歯周病になると、歯を支える骨が急速にやせていきます。また歯周病で歯を失うと、食事によって得られるカルシウムが不足して骨を弱くします。

7.糖尿病との関係

糖尿病の人は、免疫力が低下して歯ぐきの炎症が起こりやすくなり、歯周病を悪化させる事は良く知られています。更に、歯周病がひどくなると、炎症によって出てくる物質TNF・α(炎症性サイトカイン・生理活性物質)がインスリンの血糖値をコントロールする働きを妨げて高血糖になり、糖尿病の状態を悪くするといわれています。