みなさんこんにちは!山崎歯科医院です(^^)
ついこの間 年が明けたと思ったら、あっというまに3月ですね!
とはいえまだまだ寒いので、ぽかぽかと暖かい春が来るのがとても楽しみです♪
さて、今回は「加熱式タバコの身体への影響」についてお話します。
禁煙をおすすめした患者様から、「加熱式タバコなら健康に問題ありませんか?」と聞かれることがあります。
実際はどうなのでしょうか?
加熱式タバコも「タバコ製品」
新型タバコと呼ばれる「加熱式タバコ(heat-not-burn tobacco)」
最近は健康のためや、髪や衣服に匂いがつきにくいという理由で、従来の燃焼式タバコから加熱式タバコに変えたという方をよく見かけます。
加熱式タバコの種類も、需要に合わせてどんどん増えているようです。
一見、健康に害のないように思われる加熱式タバコですが、実は従来の燃焼式タバコと同様にタバコ葉を含むタバコ製品であり、依存性の高い化学物質であるニコチンが含まれています。
現在、加熱式タバコと燃焼式タバコの有害性の相違についてはさまざまな検証が行われていますが、以下の内容には注意が必要です。
有害物質は出ている!
日本で市販されている加熱式タバコ製品は、
①タバコ葉を直接的に加熱し蒸気が口を通じて肺に運ばれるもの
②加熱装置により出た蒸気が、タバコ葉が入ったカートリッジ部を通過し、ニコチンを含んだ状態で口を通じて肺に伝送されるもの
の2種類があります。加熱方法は異なるものの、どちらもタバコ製品であることには変わりありません。
加熱式タバコの主流煙には、一酸化炭素、アンモニア、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどの有害物質が検出されたとする報告もあります。
また、ラットを用いた研究では、動脈硬化や心臓病の原因となる「血管内皮機能障害」が、紙巻タバコと同程度もたらされることが明示されています。したがって、加熱式タバコであっても、有害物質が体内に取り込まれていることは明らかであり、動脈硬化や心臓病発症の危険が減ることは期待できないと言えるのです。
加熱式タバコは煙がでない?
加熱式タバコから出るのは、水蒸気であり、煙は出ない、あるいは見えにくい、と思っている方は非常に多いです。しかし、これは間違った認識といえるでしょう。
加熱式タバコを使用して、吸い込む蒸気を「水蒸気」と誤解されている方が多くおられますが、これは「水蒸気」ではありません。正確には「エアロゾル」と呼ばれます。エアロゾルの中には従来のタバコと同レベルのニコチンや有害物質が含まれていると報告されています。特殊なレーザー光を加熱式タバコ使用者の呼気に照射すると、燃焼式タバコの使用者と同等のエアロゾルを呼出していることが示されました。つまり、加熱式タバコからは、煙が出ていないわけではないということがわかります。さらにこのエアロゾルは周囲に拡散し、室内で加熱式タバコを吸ったとき、室内にいる人がさらされる微小粒子は、紙巻きタバコの1/4に達するとも言われています。少なからず、受動喫煙のリスクもあると言えるのです。
いかがでしたか?
WHO世界保健機関は、タバコ使用の唯一の安全レベルは「ゼロ使用(zero use)」であると警鐘を鳴らしています。
喫煙の習慣がある人も、そうでない人も、加熱式タバコの性質をしっかり理解して、自分や周りにいる大切な人の健康を害してしまうことがないようにしたいですね。