歯の豆知識80『口腔顔面痛は睡眠と関係がある?』
口腔顔面痛は睡眠と関係がある?
口腔顔面痛、特に顎関節症の痛みに関しては、慢性化すると睡眠感の悪さがみられます。また、睡眠が悪化すると痛みにも影響が出ることが知られています。
口腔顔面痛とは、口腔内や顎、顔に生じる痛みの総称であり、原因となる疾患には根尖性歯周炎や上顎洞炎といった炎症性疾患のほか、顎関節症、舌痛症、頭痛、三叉神経痛などさまざまなものが含まれます。
これらの中でも、口腔顔面痛の診療科で最も多くみられる疾患が顎関節症です。
顎関節症では、顎の痛みだけでなく、こめかみや顔の筋肉に痛みが広がることもあります。こうした症状が長引き慢性化すると、入眠困難(寝つきが悪い)、夜間覚醒(夜中に目が覚める)、早朝覚醒(朝早く目が覚めてしまう)といった睡眠障害が生じやすくなることが、日本の調査でも示されています。
慢性的な痛みは「慢性疼痛」と呼ばれ、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」においても、慢性疼痛の患者では睡眠の質が低下しやすいことが指摘されています。さらに、痛みが睡眠を妨げるだけでなく、睡眠の質の低下が痛みを増強させるという双方向の関係があることも明らかになっています。
このため、痛みを長期化させないよう早期に対応することが重要です。
また、顎関節症の原因の一つとして、睡眠時の歯ぎしりが挙げられてきました。
近年のシステマティックレビューでは、歯ぎしりと顎関節症との関連が示されていますが、特に睡眠中よりも日中の食いしばりや歯ぎしりのほうが強く関連している可能性が指摘されています。今後は検査技術の進歩により、より詳細な関係が明らかになることが期待されています。
顎関節症の予防や改善のためには、日常生活でのセルフケアも重要です。
例えば、無意識の食いしばりを避けるよう意識すること、頬杖をつかないこと、硬い食べ物を控えることなどが挙げられます。また、ストレスは歯ぎしりや食いしばりを助長するため、適度な運動やリラクゼーションを取り入れることも有効です。
さらに、症状が続く場合には早めに専門の医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。加えて、就寝前のスマートフォンの使用を控えたり、規則正しい生活リズムを整えたりすることも、睡眠の質の改善につながります。こうした生活習慣の見直しは、顎関節症による痛みの軽減にも寄与すると考えられます。
もしご自身にも思い当たる節がありましたらお気軽に山崎歯科医院のスタッフへご相談ください(^^)/
